紀平梨花VSザギトワ 勝敗を分けたのは??

先日フィギュアスケート グランプリファイナル2018が行われました。

優勝したのは今年シニアデビューしたばかりの16歳の新星、紀平梨花選手でした。

2位はオリンピック女王のザギトワ選手でした。2人の差はわずか6.59差何がこの差を生んだのかじっくり見ていこうと思います。

女子SP

世界最高得点を叩き出した紀平

http://www.isuresults.com/results/season1819/gpf1819/gpf1819_Ladies_SP_Scores.pdf

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完璧としか言いようがありません。なかなか決まらなかったSPのトリプルアクセルを決め、ほかのジャンプもクリーンに決め、全てでGOEモリモリとっても美しいです。

演技構成点も高くとても素晴らしいです。ただ欲を言えばフライングシットスピンがレベル2なのでそこがもったいないですが、逆に言えばまだまだ伸びるということす!!

パーフェクトな演技をみせたザギトワ

 http://www.isuresults.com/results/season1819/gpf1819/gpf1819_Ladies_SP_Scores.pdf

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こんな高難度なプログラムを完璧にそして安定してこのくらいのスコアを出すことのできるザギトワ選手はやはりすごいです。オールレベル4、ジャンプも言うことないきれいなプロトコルです。しかし完璧な演技をしてみせたザギトワ選手ですがこの試合GOE(出来栄え点)がザギトワ比では低かったです。

SPで生まれた差はどこから?

3Aを完璧に決めノーミスでまとめた紀平選手とノーミスながらもいつもよりGOEを出せなかったザギトワ選手この差だとおもいます。

つまり、GOEの差です。

女子FS

紀平梨花の高い総合力

http://www.isuresults.com/results/season1819/gpf1819/gpf1819_Ladies_FS_Scores.pdf

f:id:gogoyuzu:20181209124928j:plainプロトコルからわかるように3Aは50%以上の回転不足によりダウングレードの判定を受けました(<<はダウングレードのマーク)よって2Aと同等の扱いになってしまいました。しかし2本目のアクセル3A-2Tは成功しGOE(出来栄え点)も2.06と高評価を受けています。またアクセル以外のジャンプでも成功しGOEもすべて1点台を超えています。特に難しいコンビネーションジャンプに高いGOEを付けることができたことにザギトワ選手と差をつけることができたと思います。また演技構成点も飛びぬけておりザギトワ選手には負けていますが、他の選手には大きなさをつけることができています。

紀平梨花の圧巻のリカバリ

冒頭、3Aー3Tの予定でしたが、3Tをつけることができず、そのうえダウングレードとなってしまい2Aのみの判定になってしまいました。そこで紀平選手は次のジャンプ3Aの予定を変更して3A-2Tにし、さらに3Lz-2Tの予定を変更して3Lz-3Tと難度を上げて、冒頭で失った点を可能な限り取り戻しました。この冷静な判断がなければ優勝はできなかったと思います。紀平選手は理系脳ですね笑笑

スキの無いザギトワの演技

http://www.isuresults.com/results/season1819/gpf1819/gpf1819_Ladies_FS_Scores.pdf

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ザギトワ選手は2本目のジャンプは元々3Lz-3Tでしたしかし実際の演技では3Lz-1Tになってしまいました。このミスにより基礎点が3.08点下がってしまいました。しかしそれ以外は完璧です。ジャンプ・スピン・ステップのGOE(出来栄え点)は全て加点をもらっていて、スピン・ステップは最高評価のレベル4、演技構成点は出場した6選手の中でトップでした。ではなぜ負けてしまったのでしょうか。徹底比較していきたいとおもいます!!

紀平梨花VSザギトワ 勝敗をわけたのは??

SPでは紀平選手の圧巻の演技でザギトワ選手に勝つことができました。

FSではどちらもミスをしています。では何が勝敗をわけたのでしょうか?

いまから2人のFSデータを比較して考察していきたいと思います。

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 こうみるとほとんど差はないと思います。その中で差を生んでいるのはコンビネーションジャンプだと思います。3Aのコンビネーションを飛べる紀平選手の基礎点が高いことはありますが、それ以上に異常なまでに高い紀平選手のGOEが差を生んでいます。

コンビネーションジャンプは単独ジャンプより難しく高いGOEを出すのは困難です。

しかし紀平選手はザギトワ選手と比べてこの難しいコンビネーションで高いGOE出すことができていま。つまり、難しいジャンプでもきれいなジャンプを飛ぶことができる力が今回のグランプリファイナルの勝因だったのではないかと考えます。またザギトワ選手はFS直前に足を怪我したという情報もあります。これも要因の一つかもしれません。

最後に

SPもFSも勝ち紀平選手が世界一の称号を手に入れることが出来ました。この経験は今後の彼女に良い影響を与えるとおもいます。ザギトワ選手いわくオリンピックで金メダルをとったあとよりも取る前のほうがらくだったとそうです。これは、周囲の期待と重圧によるものだとおっしゃっていました。紀平選手はこれからみんなの期待を背負って滑っていくことになるとおもいますが。つぶされることなく日本フィギュアスケート界を引っ張っていってもらいたいです。まぁ、紀平選手なら大丈夫だとおもいますが。