step⑤ ジャンプの種類と難度について【フィギュアスケートルール2019】

 

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注意!!この記事は2019ー20シーズン版です。

今回からは技術点について詳しく説明します。Step⑤では要素を構成する技の1つであるジャンプについて学んでいきましょう。

<今回の内容>

  • ジャンプの種類と略記号
  • それぞれのジャンプの特徴
  • ジャンプの基礎点について

フィギュアスケートのジャンプの種類と略記号

フィギュアスケートでは全部で6つ+1つのジャンプがあります。それぞれに略記号があります。よく目にするものなので覚えておいたほうがいいとおもいます。

難易度の高い順に

  1. アクセル A
  2. ルッツ Lz
  3. フリップ F
  4. ループ Lo
  5. サルコウ S
  6. トウループ T

それと オイラー Eu 呼ばれるものがあります。

それではジャンプの特徴をそれぞれみていこうと思います。

ジャンプそれぞれの特徴

特徴とは別にジャンプの飛び方も書いてますがこれは反時計回りに回転する場合です。(ほとんどの選手が反時計回りに回転しています。)

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上の図はスケート靴の各名称です。ジャンプの飛び方を理解するときに参考にして下さい。

アクセル A

ジャンプの中では最高難度のジャンプです。特徴は進行方向を向きながらジャンプする(前進滑走)ことです。これはアクセルのみにみられる特徴です。

難しい理由はアクセルのみ通常のジャンプより半回転多く跳ばなければいけないからです。どうして通常のジャンプより半回転多く跳ばないといけないのでしょうか?それはアクセルのみ進行方向を向いて滑るからです。スケートは着氷(着地)するときに必ず後ろ向きでないといけません(前向きに降りてしまうとつま先が氷に引っ掛かって転倒してしまうから)。そのため後ろ向きに着氷するためには半回転多く飛ばなければならないのです。

飛び方としては左足のアウトエッジで踏み切る、右足のアウトエッジで着氷します。

ルッツ Lz

ジャンプの中では2番目に難しいジャンプです。跳び方としては後ろ向きに滑りながら、左足のアウトエッジで飛ぶモーションに入り右足のトウをついて踏み切ります。そして右足のアウトエッジで着氷します。難しい理由はフリップのときに説明します。

フリップ F

フリップとルッツはとても動きが似ているため見分けるのが難しいです。フリップは後ろ向きに滑りながら、左足のインエッジで飛ぶモーションに入り右足のトウをついて踏み切ります。そして右足のアウトエッジで着氷します。モーションに入る際のエッジの向きが違うだけです。先ほどのルッツが難しい理由はフリップとルッツの違いをみればわかりやすいです。

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 スケート靴は左足のアウトエッジで滑ると(進行方向を向いて)右方向に、インエッジで滑ると左方向に滑ります。図をみて見るとルッツは左足のアウトエッジでモーションに入るので体には時計回りの方向に力が働いています。しかし回転は反時計回りなので力が逆方向方向となり難易度が上がっているのです。

ちなみに、フリップが3番目に難しいのは②の右足でトウをつくために右足を後ろにひくという動作で、それが時計回りの動きにな難るため難易度が上がっています。もはや物理ですね。

ループ Lo

 

ループは3番目に優しいジャンプです。多くの選手はコンビネーションジャンプの2回目や3回目にトウループを使いますが、レベルの高い選手はこのループを入れてきます(セカンドループと言う)。跳び方としては後ろ向きに滑りながら右足のアウトエッジでふみきり(力の方向は回転の方向と一致)、右足のアウトエッジで着氷しますサルコウよりも難しい理由としては右足のアウトエッジで滑る際、重心を保つために左足を軸足(右足)とクロスさせます(氷に触れていないほうの足をフリーレッグという。この場合は左足。)。サルコウではフリーレッグを自由に使えるのでループよりは難易度が低いです。

サルコウ S

 

2番目に難易度の低いジャンプです。飛び方としては後ろ向きに滑りながら左足のインエッジ(力の方向は回転の方向と一致)でふみきり右足のアウトエッジで着氷します。またフリーレッグは(この場合右足)はふみきりの際、振り上げて回転方向の力を増幅させます。

トウループ T

最も難易度の低いジャンプです右のアウトエッジで滑りながらモーションに入り(力の方向は回転の方向と一致)、左足のトウを体の後ろに突いて踏み切り右足のアウトエッジで着氷します。最も自然で理にかなっているため難易度が低いです。またコンビネーションの2回目、3回目によく使われます。

どうしてLoとTはコンビネーションの2回目、3回目に使われるのでしょうか?それは全てのジャンプは右足のアウトエッジで着氷するからです。コンビネーションジャンプはジャンプの着氷足が次のジャンプの踏み切り足になります。LoとTは右足のアウトエッジで踏み切るので足を変える必要がありません。だからセカンドジャンプに使うことができるのです。コンビネーション/シークエンスの中で最終ジャンプを除いて、一回転を超えるあらゆるジャンプを反対の足で着氷してもよいというルールはありますが、難しいので実際に行う選手はあまりいません。

オイラー Eu

オイラー3連続コンビネーションジャンプの2回目に用いることができる半回転のループみたいなジャンプです。飛び方は右足のアウトエッジでふみきって左足のインエッジで着氷します。このジャンプによってコンビネーションの3回目に左足のインエッジで踏み切るフリップやサルコウを飛ぶことができるようになります

 

長くなりましたが以上が各ジャンプの説明になります。

ジャンプの基礎点

ジャンプは種類&回転数によってもらえる基礎点 が違います。難しいジャンプのほうが基礎点は高くその逆もしかりです。

種類 基礎点
4A 12.50
4Lz 11.50
4F 11.00
4Lo 10.50
4S 9.70
4T 9.50
3A 8.00
3Lz 5.90
3F 5.30
3Lo 4.90
3S 4.30
3T 4.20
2A 3.30
2Lz 2.10
2F 1.80
2Lo 1.70
2S 1.30
2T 1.30
1A 1.10
1Lz 0.60
1F 0.50
1Lo 0.50
1S 0.40
1T 0.40

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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