step⑪ 演技構成点について詳しく解説する【フィギュアスケートルール2019】
フィギュアスケートの点数は大きくみると、技術点・演技構成点・減点で構成されています。今回はそのうちの演技構成点について話していこうと思います。
今回の内容
演技構成点とは
演技構成点とはフィギュアスケートのプログラム全体を5項目で評価した得点です。
演技構成点の重要性
フィギュアスケートは滑ることを通して様々なことを表現するスポーツです。もしも演技構成点が存在しなかった場合はただのジャンプ大会になってしまいフィギュアスケート本来の意義を失ってしまいます。また選手にも相当な負担がかかってしまうこととなるでしょう。
演技構成点の5つの項目
スケーティング技術(SS)
スケーティング全体の正確さや確実さにより定義されます。
エッジ、ステップ、ターンを自在に駆使することや、無駄な力なく加速しスピードを変化させることが出来ているかを評価します。
<考慮される点>
- 深いエッジ、ステップ及びターンの利用
- バランス、リズミカルな肘の動き、足運びの正確さ
- 流れと滑り
- パワー、スピード、加減速の多様な利用
- あらゆる方向へのスケーティングの利用
- 片足でのスケーティングの利用
要素のつなぎ(TR)
要素と要素の間のつなぎが多様であるか。またこれらがはっきりとした目的をもって用いられているかどうかを評価しています。
<考慮される点>
- ある要素から別の要素への動作の連続性
- 多様さ
- 難しさ
- 質
演技(PE)
音楽の構成と意図を伝える際にスケーターの体の動き、感情表現、知性の表出が十分にあることを評価します。
<考慮される点>
- 体の動き、感情の表現、知性の表出及び投射
- 身こなしと動作の明確さ
- 動作とエネルギーの多様さとメリハリ
- 個性/人柄
構成(CO)
計画的、発展的及び独創的な各種動作について(音楽のフレーズ、空間、パターン、構造の諸原則に従って)評価する。
<考慮される点>
- 目的(アイデア、コンセプト、ビジョン、雰囲気)
- パターン(表面の十分な利用)
- 空間の多次元的な利用と動作のデザイン
- フレーシングと形式(動作及び部分が音楽のフレーズにあっていること。)
- 構成の独創性
音の解釈(IN)
音楽のリズム、特徴、内容を個性的に創造的に、偽りなく氷上の演技に移しかえることを評価します。
<考慮される点>
- 音楽(タイミング)にあった動作とステップ
- 音楽の特徴/感情表現、およびはっきりと識別できるときにはリズムの表現
- 音楽の細部とニュアンスを反映するフィネスの利用
演技構成点の採点方法
演技構成点の採点方法はGOEの算出方法によく似ています。
- 9人のジャッジパネルが、10点満点・0.25点刻みで構成点を判定します。
- 9人のジャッジパネルからコンピュータによる事前抽選で2人が除外。計7人の採点が得点対象となります。
- 7人のジャッジパネルの中で、5つの項目ごとに最大値と最小値を除外します。
- 項目ごとに5人のジャッジパネルの点数から平均点を算出したものが構成点となります。
- 5つの項目それぞれの構成点に、種目・項目ごとの加重係数を乗じて合算したものが最終的な演技構成点となる。
係数はそれぞれ次の通りです。
男子SP1.0 FS2.0
女子SP0.8 FS1.6
演技構成点の特記事項
(1)1つの転倒または1つの重大なエラーを含む演技には、どの要素に対しても「10点」を与えるべきではない
(2)複数の転倒または複数の重大なエラーを含む演技には、スケーティング技術、要素のつなぎ、構成に対して「9.5点以上」を与えるべきではなく、演技、音の解釈に対して「9.0点以上」を与えるべきではない
以上が演技構成点についての説明になります。今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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