step⑥ GOEと技術点について【フィギュアスケートルール2019】
注意!!この記事は2019ー20シーズン版です。
今回は、step④ので少しだけ話をした技術点とGOEを詳しく説明していきます。
<今回の内容>
- 技術点の算出方法
- GOEとはなんなのか
- GOEの決め方
GOEとはなんなのか
step④で、各要素には基礎点があるという話をしました。簡単に言うと、基礎点とは要素を行うだけでもらえる点です。しかし、フィギュアスケートは美しさを競うスポーツでもあります。したがって、キレイにできた要素には加点を、乱れた要素には減点をします。その±がGOEと呼ばれるものです。
要素に得点をつける方法
上図のように、要素の得点は、基礎点とGOEの合計で算出されます。図の場合、要素の得点は10.51点となります。
この方法を用いて、それぞれの要素を採点していき、それらの点を合計したものが技術点となります。
ちなみに、コンビネーションジャンプの基礎点は、各ジャンプの基礎点を合計したものになります。上の表も3Fの基礎点5.30と3Tの基礎点4.20を足した9.50となっていますね。
ジャンプボーナスについて
ところで、3Lzの基礎点が上の表では6.49になってます。3Lzの基礎点は5.90だったのに、どうしてでしょうか?
ジャンプの成功率は、演技後半になるにつれて下がっていきます。そこでSPでは最後の1本に,FSでは最後の3本にジャンプボーナスを付けて点差が出やすくしています。ジャンプボーナスがついたジャンプは基礎点が1.1倍になります。だから、3Lzの基礎点は5.9x1.1=6.49点となっているのです。
GOEの決め方
GOEは、最大9人のジャッジパネルと呼ばれる審判が採点します。ジャッジパネルは各要素が終了するたびに、-5~+5までのGOEを要素につけていきます。その後、一番高いGOEを出したジャッジと、一番低いGOEを出したジャッジを除いた平均を出します。そして、その平均に0.1をかけて、さらに基礎点をかけたものが、最終的なGOEとなります。
<注意!>
- ジャッジパネルをランダムに2人除外するランダムカットは、2010年に廃止されています。
ジャッジパネル個人によるGOEの評価方法
どういう基準でジャッジパネルはGOEの点を出しているのか説明していきます。
ジャッジパネル個人による最終のGOEを計算するためには、まず始めに要素のプラス面を考慮して点をつけます。.・・・①
次にジャッジはあり得るエラーのガイドラインに従ってGOEを引き下げます。・・・②
②がジャッジパネル個人による最終GOEとなります。
<注意!>要素の最終GOEに、エラーによる引き下げだけではなく、プラス面も反映されているということが重要です!!
①のGOEのプラス基準
※今回はジャンプのみ説明します。
1 高さおよび距離が非常に良い(ジャンプコンボおよびシークエンスでは全ジャンプ)
2 踏切および着氷が良い
3 開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプコンボではリズムを含む)
4 ジャンプの前にステップ、予想外または創造的な入り方
5 踏切から着氷までの身体の姿勢が非常に良い
6 要素が音楽に合っている
この6つの項目が、GOEのプラス要素になりなす。
基本的には1つ満たせば+1。2つで+2。3つで+3、4つで+4、5つ以上で+5となります。
+4および+5には、最初の3つの項目が満たされていなければなりません。
4 のジャンプの前にステップ、予想外または創造的な入り方については難しいので説明します。予想外というのは、今から飛ぶぞ~よいしょ‼という感じではなくて、前触れもなく飛ぶのが良いということです。創造的というのはジャンプの前にカウンターを入れてみたりして工夫することです。※カウンターについては後に説明します。
GOEのマイナス要素についてはエラーについての説明をしたときに話そうと思います。
今回はGOEについて説明しました。次回はプロトコルについて説明していきます。プロトコルの理解=ルール全体像の把握ですので、次回はとっても重要です!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ルール編一覧はこちらです。