step⑦ ジャンプミスについて【フィギュアスケート2019】
今回はフィギュアスケートのジャンプミスについて説明していきたいと思います。
皆さんはフィギュアスケートでジャンプミスといえばどんなものが思いつきますか?たぶん転倒や回転不足などでしょう。
しかしフィギュアスケートにはもっと色々な種類のジャンプミスがあります。そして、それぞれどれくらいマイナスされるのかが違います。そこをふまえて説明していきます。
<今回の内容>
- ジャンプミスの記入例
- ジャンプミスの種類
- 各ミスのペナルティー
ジャンプミスの記入例
飛んだジャンプにミスがあった場合プロトコルにミスの種類が記入されます。
http://www.isuresults.com/results/season1819/gpf1819/gpf1819_Ladies_SP_Scores.pdf
これは前回使ったトクタミシュワのSPのプロトコルです。この図のなかで注目して欲しいのが、冒頭の3Aです。3Aって表示されている横に<←こんなマークありますよね。
このマークは何かというと、回転不足のマークです。つまりこのマークがついてるジャンプは回転不足だったことを意味します。このようにジャンプミスはすべて②の欄に記号とともに記入されています。ではさっそく見ていきましょう。
ジャンプミスの種類
回転不足(アンダーローテーション)<
不足しているジャンプが1/4 回転以上 1/2 回転未満の場合は回転不足(アンダーローテーション)という判定になります。つまりジャンプは3/4回転より飛んでいれば大丈夫なんです!!記号は<を使います。よくジャンプが刺さったって聞きますよね、それは回転不足という意味です。記号が刺すような形してますから笑笑
ダウングレード<<
不足しているジャンプが1/2以上の場合はダウングレード判定になります。<<と表記されます。
エッジエラー e,!
step⑤でルッツとフリップについて説明しました。ルッツは踏切の際アウトエッジ。フリップはインエッジでした。この2つのジャンプはエッジを明確にする必要があります。どっちのエッジを使っているのかわからないジャンプ(軽度のミス)はアテンション(!)がつきます。またルッツジャンプの予定なのにふみきりがインエッジだったなどの重度なエッジミスにはe(エラー)がつきます。
+combo
SPでは、コンビネーションジャンプを跳ぶことが義務づけられています。しかしそれが(転倒などによって)行われなかった場合に演技審判により、どのジャンプ要素がコンビネーションジャンプを意図したものかが特定され、+comboと記載されます。このマークによる減点はありません。+comboのついたジャンプはコンビネーションジャンプ扱いになります。基礎点は実際に飛べたジャンプのものになりますが要素は一応満たしたことになります。
+SEQ
ジャンプシークエンスが行われたというマークです。意図的に行われたものであってミスではありません。
+REP
同じトリプルまたはクワド(4回転)が単独ジャンプとして2度行われた時は、2度目の実施要素に記号“+REP”が付けられます。つまりザヤックルールに違反したジャンプに記入されます。ザヤックルールについてはstep③を見てください。
無価値の要素*
要素の基準を満たしておらず無価値になったジャンプには*のマークがついています。ちなみに要素が無価値になることをよく要素が抜けたといいます。その要素は0点扱いです。
減点の程度
- 回転不足< の場合
回転不足だった要素の基礎点が元の基礎点の75パーセントになります。前にGOEはプラス面を付けたあとにマイナス面をつけるといいました。GOEのマイナス面で-2~-3されます。
- ダウングレード<< の場合
実施したジャンプの基礎点が1回転下のジャンプの基礎点になります(例3A→2A)。GOEのマイナス面では-3~ー4されかつ最終的なGOEはマイナスになります。
- アテンション!
基礎点は引かれませんがGOEのマイナス面でー1からー3されます。
- エラーe
エラーだった要素の基礎点が元の基礎点の75パーセントになります。またGOEのマイナス面でー3~ー4されます。
- ジャンプシークエンス +SEQ
基礎点が元の基礎点の80パーセントになります。
- リピート +REP
基礎点が元の基礎点の70パーセントになります。
今回はフィギュアスケートのジャンプミスについて話しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ルール編一覧はこちらです。
step⑦ プロトコルのみかた【フィギュアスケートルール2019】
今回は、採点表(プロトコル)のみかたについて説明しようと思います。プロトコルのみかたがわかればスケートルールの理解度がかなり進むと思います。
<今回の内容>
フィギュアスケート競技の得点の構成を図に表すとこのようになります。
この図を念頭において、プロトコルの説明をしていきます。
プロトコルとは何なのか
プロトコルというのは試合後に公表される採点表のことです。
プロトコルのみかた
http://www.isuresults.com/results/season1819/gpf1819/gpf1819_Ladies_SP_Scores.pdf
これはグランプリファイナル2018 女子SPのトクタミシェワ選手のプロトコルです。これを例に説明していきます。
①は順位と選手名を表しています。
②は行われた要素(エレメンツ)を示しています。SPなので7つあります。
③は各要素の基礎点です。×のマークは基礎点が1.1倍になったことを示しています。1番下は基礎点の合計です
④は各要素のGOEを示しています。
⑤は各要素に9人のジャッジパネルが何点のGOEを出したのかが示してあります。
⑥は各要素の最終的な点を示してあります。一番下はその合計、つまり技術点です。
⑦演技構成点について書いてあります。
⑧は減点(ディダクション)について書かれています。今回は転倒などしていないので0点です。
⑨左から国名(今回はロシア)、SPの点、技術点、演技構成点、減点です。
どうですか?採点表は全てのことが書いてあるんです!!SP、FSそれぞれが終わったあとに発表されています。ぜひ大会ごとチェックしてみてください‼ググったら出てきます。
最後に
次回はジャンプミスについて話していきたいと思います‼
最後まで読んでいただきありがとうございました‼
ルール編記事一覧はこちらになります。
step⑥ GOEと技術点について【フィギュアスケートルール2019】
注意!!この記事は2019ー20シーズン版です。
今回は、step④ので少しだけ話をした技術点とGOEを詳しく説明していきます。
<今回の内容>
- 技術点の算出方法
- GOEとはなんなのか
- GOEの決め方
GOEとはなんなのか
step④で、各要素には基礎点があるという話をしました。簡単に言うと、基礎点とは要素を行うだけでもらえる点です。しかし、フィギュアスケートは美しさを競うスポーツでもあります。したがって、キレイにできた要素には加点を、乱れた要素には減点をします。その±がGOEと呼ばれるものです。
要素に得点をつける方法
上図のように、要素の得点は、基礎点とGOEの合計で算出されます。図の場合、要素の得点は10.51点となります。
この方法を用いて、それぞれの要素を採点していき、それらの点を合計したものが技術点となります。
ちなみに、コンビネーションジャンプの基礎点は、各ジャンプの基礎点を合計したものになります。上の表も3Fの基礎点5.30と3Tの基礎点4.20を足した9.50となっていますね。
ジャンプボーナスについて
ところで、3Lzの基礎点が上の表では6.49になってます。3Lzの基礎点は5.90だったのに、どうしてでしょうか?
ジャンプの成功率は、演技後半になるにつれて下がっていきます。そこでSPでは最後の1本に,FSでは最後の3本にジャンプボーナスを付けて点差が出やすくしています。ジャンプボーナスがついたジャンプは基礎点が1.1倍になります。だから、3Lzの基礎点は5.9x1.1=6.49点となっているのです。
GOEの決め方
GOEは、最大9人のジャッジパネルと呼ばれる審判が採点します。ジャッジパネルは各要素が終了するたびに、-5~+5までのGOEを要素につけていきます。その後、一番高いGOEを出したジャッジと、一番低いGOEを出したジャッジを除いた平均を出します。そして、その平均に0.1をかけて、さらに基礎点をかけたものが、最終的なGOEとなります。
<注意!>
- ジャッジパネルをランダムに2人除外するランダムカットは、2010年に廃止されています。
ジャッジパネル個人によるGOEの評価方法
どういう基準でジャッジパネルはGOEの点を出しているのか説明していきます。
ジャッジパネル個人による最終のGOEを計算するためには、まず始めに要素のプラス面を考慮して点をつけます。.・・・①
次にジャッジはあり得るエラーのガイドラインに従ってGOEを引き下げます。・・・②
②がジャッジパネル個人による最終GOEとなります。
<注意!>要素の最終GOEに、エラーによる引き下げだけではなく、プラス面も反映されているということが重要です!!
①のGOEのプラス基準
※今回はジャンプのみ説明します。
1 高さおよび距離が非常に良い(ジャンプコンボおよびシークエンスでは全ジャンプ)
2 踏切および着氷が良い
3 開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプコンボではリズムを含む)
4 ジャンプの前にステップ、予想外または創造的な入り方
5 踏切から着氷までの身体の姿勢が非常に良い
6 要素が音楽に合っている
この6つの項目が、GOEのプラス要素になりなす。
基本的には1つ満たせば+1。2つで+2。3つで+3、4つで+4、5つ以上で+5となります。
+4および+5には、最初の3つの項目が満たされていなければなりません。
4 のジャンプの前にステップ、予想外または創造的な入り方については難しいので説明します。予想外というのは、今から飛ぶぞ~よいしょ‼という感じではなくて、前触れもなく飛ぶのが良いということです。創造的というのはジャンプの前にカウンターを入れてみたりして工夫することです。※カウンターについては後に説明します。
GOEのマイナス要素についてはエラーについての説明をしたときに話そうと思います。
今回はGOEについて説明しました。次回はプロトコルについて説明していきます。プロトコルの理解=ルール全体像の把握ですので、次回はとっても重要です!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ルール編一覧はこちらです。
【2018‐2019】フィギュアスケートルールまとめ
フィギュアスケートは2年に1度ルールの変わるスポーツです。なのでサイトによっては古いルールのままなことがよくあります。そこで最新のフィギュアスケート完全ルールをつくりました。ルールを深く知ればスポーツはもっと楽しくなりますよ‼
フィギュアスケート 競技の概要編
step⑰ ジュニアルールについて
ジャンプ編
採点表の見方編
スピン・ステップ・つなぎ編
step⑭ スピン編
step⑮ ステップ編
step⑯ つなぎ編
大会規定編
step⑱ フィギュアスケートの年齢区分と出場資格
step⑲ 各大会の位置関係
step⑳ 各大会の出場枠
step㉑ 各国の代表の決め方
黒字は全て予定で変更することがあります。
step⑤ ジャンプの種類と難度について【フィギュアスケートルール2019】
注意!!この記事は2019ー20シーズン版です。
今回からは技術点について詳しく説明します。Step⑤では要素を構成する技の1つであるジャンプについて学んでいきましょう。
<今回の内容>
- ジャンプの種類と略記号
- それぞれのジャンプの特徴
- ジャンプの基礎点について
フィギュアスケートのジャンプの種類と略記号
フィギュアスケートでは全部で6つ+1つのジャンプがあります。それぞれに略記号があります。よく目にするものなので覚えておいたほうがいいとおもいます。
難易度の高い順に
それではジャンプの特徴をそれぞれみていこうと思います。
ジャンプそれぞれの特徴
特徴とは別にジャンプの飛び方も書いてますがこれは反時計回りに回転する場合です。(ほとんどの選手が反時計回りに回転しています。)
上の図はスケート靴の各名称です。ジャンプの飛び方を理解するときに参考にして下さい。
アクセル A
ジャンプの中では最高難度のジャンプです。特徴は進行方向を向きながらジャンプする(前進滑走)ことです。これはアクセルのみにみられる特徴です。
難しい理由はアクセルのみ通常のジャンプより半回転多く跳ばなければいけないからです。どうして通常のジャンプより半回転多く跳ばないといけないのでしょうか?それはアクセルのみ進行方向を向いて滑るからです。スケートは着氷(着地)するときに必ず後ろ向きでないといけません(前向きに降りてしまうとつま先が氷に引っ掛かって転倒してしまうから)。そのため後ろ向きに着氷するためには半回転多く飛ばなければならないのです。
飛び方としては左足のアウトエッジで踏み切る、右足のアウトエッジで着氷します。
ルッツ Lz
ジャンプの中では2番目に難しいジャンプです。跳び方としては後ろ向きに滑りながら、左足のアウトエッジで飛ぶモーションに入り右足のトウをついて踏み切ります。そして右足のアウトエッジで着氷します。難しい理由はフリップのときに説明します。
フリップ F
フリップとルッツはとても動きが似ているため見分けるのが難しいです。フリップは後ろ向きに滑りながら、左足のインエッジで飛ぶモーションに入り右足のトウをついて踏み切ります。そして右足のアウトエッジで着氷します。モーションに入る際のエッジの向きが違うだけです。先ほどのルッツが難しい理由はフリップとルッツの違いをみればわかりやすいです。
スケート靴は左足のアウトエッジで滑ると(進行方向を向いて)右方向に、インエッジで滑ると左方向に滑ります。図をみて見るとルッツは左足のアウトエッジでモーションに入るので体には時計回りの方向に力が働いています。しかし回転は反時計回りなので力が逆方向方向となり難易度が上がっているのです。
ちなみに、フリップが3番目に難しいのは②の右足でトウをつくために右足を後ろにひくという動作で、それが時計回りの動きにな難るため難易度が上がっています。もはや物理ですね。
ループ Lo
ループは3番目に優しいジャンプです。多くの選手はコンビネーションジャンプの2回目や3回目にトウループを使いますが、レベルの高い選手はこのループを入れてきます(セカンドループと言う)。跳び方としては後ろ向きに滑りながら右足のアウトエッジでふみきり(力の方向は回転の方向と一致)、右足のアウトエッジで着氷します。サルコウよりも難しい理由としては右足のアウトエッジで滑る際、重心を保つために左足を軸足(右足)とクロスさせます(氷に触れていないほうの足をフリーレッグという。この場合は左足。)。サルコウではフリーレッグを自由に使えるのでループよりは難易度が低いです。
サルコウ S
2番目に難易度の低いジャンプです。飛び方としては後ろ向きに滑りながら左足のインエッジ(力の方向は回転の方向と一致)でふみきり右足のアウトエッジで着氷します。またフリーレッグは(この場合右足)はふみきりの際、振り上げて回転方向の力を増幅させます。
トウループ T
最も難易度の低いジャンプです。右のアウトエッジで滑りながらモーションに入り(力の方向は回転の方向と一致)、左足のトウを体の後ろに突いて踏み切り右足のアウトエッジで着氷します。最も自然で理にかなっているため難易度が低いです。またコンビネーションの2回目、3回目によく使われます。
どうしてLoとTはコンビネーションの2回目、3回目に使われるのでしょうか?それは全てのジャンプは右足のアウトエッジで着氷するからです。コンビネーションジャンプはジャンプの着氷足が次のジャンプの踏み切り足になります。LoとTは右足のアウトエッジで踏み切るので足を変える必要がありません。だからセカンドジャンプに使うことができるのです。コンビネーション/シークエンスの中で最終ジャンプを除いて、一回転を超えるあらゆるジャンプを反対の足で着氷してもよいというルールはありますが、難しいので実際に行う選手はあまりいません。
オイラー Eu
オイラーは3連続コンビネーションジャンプの2回目に用いることができる半回転のループみたいなジャンプです。飛び方は右足のアウトエッジでふみきって左足のインエッジで着氷します。このジャンプによってコンビネーションの3回目に左足のインエッジで踏み切るフリップやサルコウを飛ぶことができるようになります。
長くなりましたが以上が各ジャンプの説明になります。
ジャンプの基礎点
ジャンプは種類&回転数によってもらえる基礎点 が違います。難しいジャンプのほうが基礎点は高くその逆もしかりです。
種類 | 基礎点 |
4A | 12.50 |
4Lz | 11.50 |
4F | 11.00 |
4Lo | 10.50 |
4S | 9.70 |
4T | 9.50 |
3A | 8.00 |
3Lz | 5.90 |
3F | 5.30 |
3Lo | 4.90 |
3S | 4.30 |
3T | 4.20 |
2A | 3.30 |
2Lz | 2.10 |
2F | 1.80 |
2Lo | 1.70 |
2S | 1.30 |
2T | 1.30 |
1A | 1.10 |
1Lz | 0.60 |
1F | 0.50 |
1Lo | 0.50 |
1S | 0.40 |
1T | 0.40 |
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ルール記事一覧はこちらです。
step③ フリープログラムの要素について【フィギュアスケートルール2019】
注意!!この記事は2019ー20シーズン版です。
前回はSPの要素についての説明をしてきました。今回はその続きでFSの要素について説明していきます。FSはSPと比べて自由な演技ができることも特徴の一つです。それでは、FSの要素の種類を説明します。
<今回の内容>
- FSの要素の種類
- FSのジャンプ要素の説明
FSの12個の要素の種類
このようにフリーの要素はとにかく自由です。スピンやステップについては次回以降に説明するので今回は1~7のジャンプの要素について詳しく説明します。
FSのジャンプ要素の説明
FSでは男女共に7回ジャンプを飛ぶことが出来ますが、選手は以下のルールに従ってジャンプの構成を決めなくてはいけません。SP同様、ここでは同名でも回転数の違うジャンプは2種類のジャンプとして扱います。
ルール① コンビネーションジャンプは最大3回まで。(ジャンプシークエンスを含む)ただし、3連続ジャンプはその3回のうち1回までです。(いかなる回転数でもよい)
ルール② ジャンプのうち1回はアクセルジャンプでなければならない。もしもアクセルを飛ばなかった場合は1番最後に行われたジャンプ要素が0点になる。
ルール③ 単独ジャンプはいかなる回転でもよい。→SPとは違い、1回転でも2回転でもいい。1回転アクセルも可。
ルール④ 同じ種類の2回転ジャンプを全部で2回を超えて飛んではならない(コンビネーションの中であっても。)
例
ルール⑤ 3回転ジャンプ、4回転ジャンプのうち2種類のみを2回行うことが出来る。そのうち1種類のみ4回転ジャンプを繰り返すことができる。これら2回行ったジャンプのうち1回目か2回目どちらか片方はコンビネーションかジャンプシークエンスにしなければならない。
(例)
この場合は同じ種類の4回転ジャンプを両方とも単独ジャンプで行っているので、2回目のジャンプが減点されます。
ルール⑥ 同じ種類の3回転ジャンプまたは4回転ジャンプも2回を超えて試みてはならない。
同じ種類のジャンプを3回も飛んでるので要件に違反したジャンプのみが違反になる。
このようなジャンプの繰り返しに関するルールをザヤックルールと呼びます。ザヤックルールを違反してしまったときザヤるとか言ってますね。ちなみに、世界最速ザヤ記録保持者は織田信成さんです。最初から2つめでザヤりました。解説者も言葉を失ったとか笑笑
すみません話がそれました。
※ジャンプシークエンスという言葉が出てきましたが、ジャンプシークエンスのルールは難しいので今度説明します。コンビネーションジャンプみたいなものだと思っていて下さい。
間違いやすい点
- 2回転ジャンプの繰り返しでは片方のジャンプをコンビネーション・ジャンプシークエンスとする必要はない
以上が、FSの要素についてのルールです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ルール編記事一覧はこちらです。
step② ショートプログラムの要素について【フィギュアスケートルール2019】
注意!!この記事は2019‐20シーズン版です。
今回と次回はフィギュアスケートのルールを学ぶ上で最も重要な内容を紹介します。
フィギュアスケートにおける最重要なこと....それは....【要素】です!!
<今回の内容>
- 要素とはなんなのか
- SPの要素の種類
- SPのジャンプ要素の説明
要素とは?
【要素】とはいったい何なのでしょうか?
フィギュアスケートは決められた時間のなかで自由な音楽を用いて演技を行っていきます。しかし、その時間内であればなんでも好きなことをしてもいいというわけではありません。例えば、自分の好きなジャンプを4回も5回も飛んだり、同じジャンプばっかり飛んでみたり。そんな勝手が許されるわけではありません。演技中に行う項目はだいたい決められています。この演技中にしなければいけない項目のことを要素(エレメンツ)と呼びます。SPでは7個、FSでは12個の要素が存在します。
また、要素に入ってない技をした場合、それらは評価対象になりません。
つまりフィギュアスケートは決められた要素をいかに高難度な技でこなすのか、また美しくこなせるのかを競うスポーツなのです。
ではSPにはどのような要素があるのか詳しく説明していきます。
SPの7つの要素の種類
- アクセルジャンプ(3回転もしくは2回転)
- ソロジャンプ(男:4回転もしくは3回転 女:3回転)
- ジャンプコンビネーション(男:4回転-3回転、4回転-2回転、3回転-3回転、3回転-2回転 女:3回転‐3回転、3回転‐2回転)
- フライングスピン
- 男:足換えスピン 女:レイバックスピン
- スピンコンビネーション
- ステップシークエンス
SPはこの7つの要素の組み合わせで行われます。要素の順番は決まっていません。つまり、1から行っても7から行ってもいいです。またミスした場合でもその要素を再びやり直してはいけません。
1~3のジャンプ要素の説明
1~3のジャンプ要素について説明します。まず原則として同じ種類のジャンプを繰り返してはいけません。ただし回転数が異なる場合は違う種類のジャンプとして考えます。(例4回転ルッツと3回転ルッツは違う種類)これをふまえて1つづつ考えていきます。
1.アクセルジャンプ(3回転もしくは2回転)
アクセルジャンプの要素です。この要素のアクセルは2回転以上と規定されているので1回転のアクセル(シングルアクセル)を飛んだ場合は0点評価となります。ダブルアクセルの予定がバランスを崩してシングルアクセルになってしまい0点になってしまうミスがたまにみられます。
2.ソロジャンプ(男:4回転もしくは3回転 女:3回転)
簡潔に言えば単独ジャンプの要素です。この要素では使用してはいけないジャンプがいくつかあるので説明していきます。
- 2回転・1回転の単独ジャンプ⇒0点評価になります。これもサルコウジャンプやループジャンプの時失敗してしまい2回転になって0点になるミスがたまに見られます。
- アクセルジャンプ⇒1の要素を繰り返すことになるのでNG
- ジャンプコンビネーションで使用した種類のジャンプ⇒同じ種類のジャンプを繰り返してはいけません。どちらかのジャンプのうち1つが0点になります(選手に対して有利に働くように消される)。
- 4回転ジャンプ(女子のみ)⇒0点になります。
これら以外のジャンプのみ使用することができます。
3.ジャンプコンビネーション(男子:4回転-3回転、4回転-2回転、3回転-3回転、3回転-2回転 女子:3回転‐3回転、3回転‐2回転)
ジャンプコンビネーションとは、ジャンプ着氷後に、足替えや1回転以上のターン、体重移動を行わずに再びジャンプをすることを指します。ジャンプコンビネーションでも使用してはいけないジャンプがいくつかあるので説明します。
- 1回転のジャンプ
- アクセルジャンプの要素、ソロジャンプの要素で使用した種類のジャンプ
- 4回転ジャンプ(女子のみ)
- 2回転‐2回転の組み合わせ
- 3連続コンビネーション→第3ジャンプが0点(無価値)
これらのジャンプはジャンプコンビネーションの要素では使用できません。
〈間違いやすい点〉
ジャンプコンビネーションを失敗した場合
もしも、最初に飛んだジャンプでの転倒や、意図せずにコンビネーションで使用できないジャンプを使用してしまった場合は、コンビネーションの要素を満たすことが出来なくなります。もしまだソロジャンプの要素を飛んでないなら予定していたジャンプをコンビネーションジャンプに変更して、失敗したコンビネーションをソロジャンプにするという方法があります。このように何かしらのジャンプで失敗したとき、その分を取り戻そうと、続くジャンプのどこかで予定を変更することでカバーすることをリカバリーと言います。
(例
コンビネーションジャンプを失敗したときの減点方法は少し複雑なのでまた次回以降に話したいと思います。またステップやスピンの要素についても次回以降の説明とさせていただきます。今回はSPの要素について説明していきました。。次回はFSの要素について説明したいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
ルール記事一覧はこちらです。